E21 · C
日が暮れてからの道
まだ夜道にいるあなたへ
日が暮れると、道路は車のライトが届くところまでしか見えません。その行く手に、小さな窓がひとつだけ灯っています。ある詩人は、大きな道に足を踏み入れたとき、その道にこう語りかけました。「道よ、私がいま踏み入って見まわすおまえよ、おまえがここにあるすべてではないと私は信じる。ここにはまだ目に見えないものが多くあると、私は信じる。」——ウォルト・ホイットマン『大道の歌』(1856年)
この手紙は、1990年10月のアメリカ南部の、まさにそんな道から届きました。封筒はくすんだ赤の粗い紙。題字はクリーム色の続け字の看板文字で、その下には荒れ野をゆく紺色の道が刻まれ、道の果てに小さな窓が灯っています。隅にはセージグリーンの給油レシート、優美な幾何学の星形、使い込まれた紙の鍵札。
夜の道はそういうものです。見えないものが、見えるものより多い。あの窓の向こうには、誰かが待っているのかもしれません。どうぞ少し立ち止まって、ゆっくり読んでください。書きたくなったら、遠くの窓にも一通どうぞ。
行く手に灯りがありますように
暴雨郵便局
1990年10月・アメリカ南部