暴雨郵便局

E33 · A

春はここにとどまる

この春の一枝を受け取るあなたへ

この手紙は、1994年以降のある春から届きました。通りにはバスが走り、小さな店があり、ガラス板を敷いたカウンターがあります。封筒は深い青の丈夫な紙。英字の題字は筆文字。クリーム色と淡いピンクの切り紙の梅の花が、紙の中から生えてきたように幾重にも重なっています。セージグリーンの帳簿の帯と、小さなはさみの紋章も。

ずっと昔、道で駅使に出会った人が、梅の枝を一本折って、遠くの友に託しました。「道で駅使に出会い、梅を一枝折って、はるかな隴頭のあなたへ託す。江南には何もないけれど、ひとまず一枝の春を贈ろう。」——陸凱『范曄に贈る』(南北朝)

郵便局も同じです。ほかには何もなく、送れるのは一枝の春だけ。春はずっとは留まりませんが、手紙が代わりに留めてくれます。ようこそ。ゆっくり読んで、ゆっくり受け取って、ゆっくり返してください。

春より、よろしくとのことです

暴雨郵便局

1994年以降・ある春

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