M07 · A
誰のためでもない歌
遠くで耳をすますあなたへ
暴雨郵便局へようこそ。この手紙の紙は煙るようなラベンダー色で、題字は端正で優雅な分離派の書体、一文字も歪んでいません。変形が起きているのは縁だけです。藍色の空は渦を巻き、列柱が一列、余白で途切れ、銀色の測定の弧線が紙の上をよじ登り、隅には海緑色の観測印が一つ。1914年、ウィーンと島のあいだ。空間は美しく、けれど安定していません。
トマス・グレイは、誰にも聞かれない美しさについて書きました。「多くの花が、誰にも見られずに頬を染め、その香りを荒れ野の空気に捨てている。」——トマス・グレイ『田舎の墓地で詠んだ挽歌』(1751年)
私たちは、どんな歌も無駄にしたくありません。だから、書いて、私たちに送ってください。歌には聴衆がいなくても、手紙には読み手がいます。
聴いています
暴雨郵便局
1914年・ウィーンと島のあいだ