暴雨郵便局

M10 · C

氷のむこうへ

荷造りをしているあなたへ

暴雨郵便局へようこそ。1991年3月、南極。この手紙は補給物資といっしょに旅をしてきました。青灰色の蝋引き紙に、木箱に刷ったようなぶ厚いステンシル体の大文字、その横にはペンで書き添えた署名がひとつ。クリーム色の航海図が小さな物資のステンシルの列に重なり、控えめなオレンジ色の通し番号札が結ばれ、右下の隅には、この野営地よりも古い氷と廃墟の、深い青の版画が広がっています。

詩のなかの年老いた航海者は、炉端にとどまることを拒み、日没の彼方へ船を出そうとします。その最後の言葉はこうです。「努め、探し、見いだし、そして屈しないこと。」——アルフレッド・テニソン『ユリシーズ』(1842年)

あなたに奮闘は求めませんし、屈せよとも言いません。氷のむこうに何があるのかは誰にもわかりませんが、手紙なら先に行けます。書いて、封をして、あとの道のりは雨に任せましょう。

補給が足りて、天気が穏やかでありますように

暴雨郵便局

1991年3月・南極

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