M11 · A
長い道の途中で
道を歩いているあなたへ
暴雨郵便局へようこそ。この手紙は1920年の秋、西部戦線から届きました。砲声はまだ止んでいません。封筒はオリーブ色の粗い繊維の野戦用紙で、手彫りの木版の書体で題字が食い込んでいます。黒い角張った線が荒れた野を描き、クリーム色の路線図は断片だけが残り、錆びた赤の民間郵便印のそば、縁に近いところに、農家のあたたかな灯がひとつ刷られています。
故郷の道を愛したある詩人は、もう戻れない道をこう嘆きました。「あれこそ失われた満ち足りた国。はっきりと、光って見える。私が歩いた幸せの大路には、もう二度と戻れない。」——A・E・ハウスマン『シュロップシャーの若者』(1896年)
大路は引き返せなくても、手紙は引き返せます。急がなくていいのです。雨のなかでゆっくり書いてください。家まで、私たちが運びます。
道のそばに、いつも灯りがありますように
暴雨郵便局
1920年秋・西部戦線