暴雨郵便局

E24 · C

朝の潮が満ちるまで

夜明けを待つあなたへ

夜も更けて、甲板の灯りが一つずつ消えていきます。それでも船は進んでいます。この手紙は、1991年2月から3月にかけて、外洋の客船の上で書かれました。封筒はシーグラスのような淡い青緑の紙。題字は、幾何学的で力強く優雅な海事風のセリフ体で、その下に、濃紺の左右対称の船首と羅針盤。クリーム色の甲板図、くすんだ桃色の荷札。旅人がいま、トランクを置いたところのようです。

船が港に入るのは朝、潮が満ちてからです。ある詩人は、海辺の夜をこう書きました。「小さな波が、やわらかな白い手で、砂の上の足あとを消していく。潮は満ち、潮は引く。」——ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー『潮は満ち、潮は引く』(1880年)

海は足あとを消しても、手紙は消せません。ようこそ。今夜は急がなくて大丈夫です。誰かに伝えたいことを、まず書き留めてください。朝の潮が満ちたら、手紙も船と一緒に港へ入ります。

朝の潮が満ちるときまで

暴雨郵便局

1991年2〜3月・海上

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