暴雨郵便局

E32 · A

移ろう宴

遠くからいらした客人へ

窓際の席、小さなトランクには、パンとチーズと、飲みかけのワインが半分。この手紙は1935年から36年のパリから届きましたが、同じ場所にはとどまっていません。コバルトブルーの封筒に、洗練されたアール・デコの幾何学的セリフ体の題字。クリーム色のパリの街並みが細密に彫られ、紙の上の縁に逆さまにぶら下がっています。バラ色とヒスイ色の切り紙は宝石のよう。黄土色のサロンの切手、そして一本のくっきりした旅程の線。

百年以上前、あるフランスの美食家が本にこんな箴言を記しました。「食卓の悦びは、あらゆる年齢、あらゆる身分、あらゆる国、あらゆる日に属している。」——ブリア=サヴァラン『美味礼讃』(1825年)

宴は、ひとつの食卓に決まっているわけではありません。鞄に詰めて、車両の揺れとともに運び、腰を下ろした場所に広げることもできます。どうぞ上座へ。手紙もそんな、移ろう宴です。ゆっくり味わって、ゆっくり書いてください。

あなたの食卓が旅の途中にありますように

暴雨郵便局

1935〜36年・パリ

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