M01 · C
真夜中のコットン・クラブ
真夜中にやってきたあなたへ
暴雨郵便局へようこそ。この手紙は1929年のニューヨークの夜から出されました。封筒の題字は劇場の庇の看板のように詰まっていて、クリーム色とレンガ色の縞が、ドラムの拍に合わせて跳ねています。入口の影は角ばった切り絵のよう。隅には凸版のクラブの入場券が押されていて、目より先に指が読み取ってくれるでしょう。
レノックス・アベニューの夜は、まだ長く続きます。三百年あまり前、別の舞台の公爵は楽師たちにこう命じました。「音楽が恋の糧であるなら、奏でつづけてくれ。あふれるほどに聴かせてくれ。」——ウィリアム・シェイクスピア『十二夜』(1623年)
舞台の音楽は、舞台に立つ人たちが生み出したもの。その名前を、私たちは覚えていたいと思います。後ろの席にどうぞ。一曲聴き終えたら、手紙をください。
遅い回で会いましょう
暴雨郵便局
1929年・ニューヨーク
追伸 インクは青みがかった黒です。真夜中に読むのがいちばんです。